好きの反対は無関心とはいえ、嫌われるのは避けるべき
いきなり始まりますが、今日の質問のコーナー。ドンドンドンパフパフパフ。
では最初のお便りから。
こんにちは。
ちょっと前の河野さんの日記でもイーモバイルのCMについて微妙に触れられていましたが、最近通勤で利用する池袋駅構内に松下奈緒の柱広告がでかでかと張ってあり、あの「指、来たっすネ」コピーにどうしても違和感を覚えてしまい、自分のブログでその事をネタにしてしまいました。しかしブログを書きながら、これはまんまと制作側の意図に嵌ってブログを書いているのではないか?という疑問が起きてきたのです。
つまり認知フェーズとしてポジ、ネガ関係なくフックとして引っかかる事を最優先に考えた広告展開なのではないか(後発という事も有りますし)と言う考えに至ったのですが、マーケ的視点から見て河野さんはどう思われているのかが非常に気になりメールしました。
なるほど。たしかにぼくもちょっと前に書きました。あの後も松下奈緒は好きなのですが、イーモバイル自体は痛々しく見ています。
ということで、ぼくがどう思っているかをまとめてみます。
ぼくの推測では、あれは狙っていないと思います。
もっというと、記憶されることを狙ってはいたと思うけど、ブログでネガティブな反応が書かれることは意識していないでしょう。
ユビキタスで「指きたす」ってダジャレは数年前にどっかがやってますね。そういう意味でもこのCMはダサいんですが、新規参入で話題になろうと狙ったにしてはお粗末です。
もちろん愛情の反対は無関心で、それに比べたらネガティブな反応でもいいっていう意見もあります。
が、ぼくはそうではないと思っています。 ネガティブはネガティブなんです。「無関心」は捨て置けばいい。
大事なのは「無知」をなくすことです。知らない人を少しでも減らすために企業はプロモーションをしなければなりません(ぼくはそう考えます)。
企業にとっての消費者、生活者は「知ってるか」もしくは「知らないか」でまず分けられます。
ポジネガ、そして無関心は知っている人の区分です。
これを逆転、スイッチさせることはとても難しい。
それよりも知らない人を知ってる人に移動させて、それもポジティブな状態で連れてくるほうが簡単だし重要です。
そういう意味でも残念なCMだったと思います。せっかくお金をかけて知らしめるチャンスだったのに。
あと、もうひとつ。
こうしてブログにネガティブな反応がいくつかアップされていても、それは大きな意味はありません。
そもそも見てないのです。これがテレビで「ネットでは大不評」とか報道されれば別ですけどね。その瞬間にすごく大きな影響力を持つようになるけど、それはテレビの影響力であって、ネットの影響力でもブログの影響力でもありません。
ただし、こういう反応をブロガーが示したと言うのは、企業側がそこから何かを感じ取るヒントにはなると思います。
もちろんブロガーが一般消費者のサンプルとして代表性があるとは限りませんが、今回のケースではわりと総意を示しているような気がします。
もっとも、アルファブロガーと呼ばれている人たちは(個人的な感覚では)ほとんど代表性がないので、そこに書かれたからといってたいしたことはありません(補足すると、それくらいとんがってる人たちだからです)。
それよりも普通のブロガー、無料ブログを使っていて月に数回書いてるような方たちがぽろっと漏らしてくれるナマの声にこそ企業は耳を傾け、何かを感じ取らなければなりません。
話が長くなりました。PGMとかホリスティックとか言ってるとこんな感じの考えになります。
またのお便りを楽しみにしています。
Comments
そのとおりだと思います
嫌われるのは避けるべきというのは同感ですが、例えば「物議をかもす」という手法はバズマーケティングの手法として多く語られていたりします。
マーク・ヒューズが手がけたhalf.comの事例でも町名を企業名に変えるべきか、変えてはいけないかという議論が全米で巻き起こった事で、知名度が一気に全国区になり、結果的に成功を収めたと彼の著書にあります。
チャレンジすることを肯定的に捕らえるアメリカの文化的風土がなせる業かもしれませんが、このような賛成半分・反対半分といった状況を作り出すマーケティング手法についてはどう思われますか?
これは多分に好き嫌いの領域の話になっていますね。
「スパイダーマン2」の映画の広告をMLBのベース(2塁ベースとかに)入れるって話があって、結局大反対の末に取りやめになったけど、そういう騒動が話題になって興行的には大成功とか、事例は山ほどあります。
マーク・ヒューズの本はぼくも読んだし、共感すべき点がたくさんありました。
が、賛否両論の話は今回のケース(イーモバイルの「指、きたっすね」)とは当てはまらないと思っているのですがどうでしょうか。
これが最高の(少なくともBetterな)CMだと思っている人にまだ出会っていないのですが、Ericさんの周囲にはけっこういたりしますか?
批判上等な施策を否定しているのではなく、今回のQ&Aでは「ネガティブな反応でもないよりいいや」というスタンスが、ぼくの主義にはあわないなということが言いたかったのです。
ぼくは広告やマーケティングってのは自社のファンを増やす活動だと思っているから。
根本的な問題として、ブログのブの字もないADSL黎明期にも「ADSL、いいアクセス」と長谷川京子に叫ばせながらTシャツを脱いでいくというこれっぽっちも成長の無いCMを作っている時点でまったくもって狙っていないと思われます。
参考資料
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/08/19/eahase.htm
明らかに千本会長の趣味?
あはは、あったあった。ありましたね。
カレンダーもらった記憶がある。
会長の趣味なんですかね。さすがに担当者変わってそうですもんね。
ぼくはああいうオヤジギャグはオヤジには受けないと思うんだけどどうなんですかね(女性向け商品を女性がそれほど支持しないのと同じで)。
ネガティブな反応でもないよりいいという手法では見られてもすぐに忘れられるし、ましてやファンになるなんてこともありえないですので、この点はkounoさんと同じ意見です。イーモバイルの件もあまり良いCMとはいえず、周りにも肯定的な意見を言う人はいないです。
民主党のCMなんかもおそらく幹部の意見を最優先で作られた感じもしますし、トップダウンの企画って独善的になってしまうものですね。
批判上等の件は今回の事例ではなく、同じネガティブ情報を含んだマーケティングという点でのご意見を伺いたく例に出しました。 多くの事例が語るように、批判が起こったとしても、最終的にそれにチャレンジしたことでファンを増やすことに成功していますし、まったく違うアプローチにはなりますが。
またお時間のあるときにお話を聞ければ嬉しいです。
個性が強いと反発も多いのは、人間も同じですね。
コミュニケーションを考えるとき、批判=避けるものではありませんし、むしろそういうやり取りの中でこそファンが生まれることも多いです。
そういう点では、Ericさんがおっしゃるようにチャレンジすることの重要性をぼくも感じますし、過去やってきたことを振り返ってもそんなチャレンジが多かったです。
いつか「朝まで生マーケ」でもやりましょうw
朝まで生マーケ